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- 造作家具で空間がすっきり見える理由|リノベーションでつくる美しい収納
こんにちは。
今回も前回に引き続きプランニングするうえで大事にしている考え方を書いてみようと思います。
リノベーションを考えるとき収納量を増やすことを希望される方がほとんどです。
けれど収納を増やせば必ず部屋がすっきり見えるわけではありません。
大切なのは、何を、どこに、どのように納めるか。
そこで選択肢になるのが、住まいに合わせてつくる「造作家具」です。
また、近年はヴィンテージ家具の人気も高まっていますが、希少性や価格の高さから、なかなか手が届きにくいものもあります。
そんなときにおすすめなのが、造作家具です。ヴィンテージ家具のデザインや雰囲気を取り入れながら、空間に合わせて再現することができます。さらに、サイズも間取りや設置場所に合わせて細かく調整できるため、既製品では難しい「空間にぴったりと馴染む家具」をつくることができます。
既製品の家具とは違い、造作家具は部屋の寸法や暮らし方に合わせて設計できます。
今回は、造作家具を取り入れることで空間がすっきり見える理由と、リノベーションならではの収納計画についてご紹介します。
造作家具とは?
造作家具とは住まいの空間や用途に合わせてオーダーメイドでつくる家具のことです。
壁面収納やテレビボード、キッチン収納、洗面台、デスク、本棚など、さまざまな場所に取り入れることができます。
既製品の家具の場合はサイズやデザインに合わせて部屋を使う必要があります。
一方造作家具なら、
壁の幅にぴったり合わせる
天井まで収納にする
必要な場所だけ収納をつくる
コンセントや配線を隠す
壁や建具と色を揃える
といった設計が可能です。
つまり、家具を「置く」のではなく、家具そのものを空間の一部として計画できることが、造作家具の大きな特徴です。
1.家具と壁の「すき間」がなくなる
既製品の家具を置いたときどうしても気になるのが壁とのすき間です。
家具と壁の間に数cmの余白ができたり天井との間にスペースが残ったり。
一つひとつは小さなすき間でも部屋全体で見ると視線が途切れる原因になります。
造作家具なら壁の幅や高さに合わせてつくることができます。
例えば、壁一面に収納を設け天井まできれいにつなげる。
すると家具が「置かれている」のではなく壁の一部として見えるようになります。
この一体感が空間をすっきりと見せるポイントです。

2.収納するものに合わせて設計できる
収納は大きければいいわけではありません。
重要なのは実際に何を収納するのかで、本、食器、家電、掃除道具、衣類、日用品等それぞれ必要な高さや奥行きは異なります。
造作家具なら、収納するものに合わせて内部まで設計できます。
例えば、家電を置く場所にはコンセントを計画する。
リビング収納にはルーターや配線を納めるスペースをつくる。
キッチンにはよく使うものと普段使わないものを分けて収納する。
「収納家具をつくる」のではなく、「暮らしを収納する」。
この考え方が、使いやすさと美しさの両方につながります。

3.生活感のあるものを隠せる
どれだけ内装にこだわっても、日常生活ではさまざまなものが出てきます。
ティッシュ、リモコン、充電器、書類、掃除用品、家電等これらをすべて見せる収納にしてしまうと、空間全体が雑然として見えることがあります。
そこで造作家具の中に「隠す収納」をつくります。
必要なものはすぐ取り出せる。でも、普段は見えない。
このメリハリが空間を整えて見せてくれます。
生活感をなくすのではなく生活感が見えすぎないように収納する。
それも、造作家具の役割のひとつです。

4.配線まで含めてデザインできる
テレビやオーディオ、パソコン、家電など、現代の暮らしにはたくさんの配線があります。
せっかくきれいな内装にしてもケーブルが床や壁を這っているとどうしても視線が散ってしまいます。
造作家具なら配線の通り道まであらかじめ計画できます。
テレビボードの内部に配線スペースを設ける。
コンセントを家具の中に配置する。
ルーターを収納内部に納める。
こうした細かな工夫によって見せたくないものを見せない空間をつくることができます。

5.壁・建具・家具のラインを揃える
空間をすっきり見せるためには、「線を揃える」ことも重要です。
例えば、収納の高さを建具の高さに合わせる。
家具の奥行きを壁のラインに合わせる。
扉や引き出しのラインを揃える。
こうした細かな調整によって空間に統一感が生まれます。
造作家具はこうした寸法の調整をしやすいのが特徴です。
一見すると気づかないような部分ですが、「なんとなくきれい」と感じる空間にはこうした設計上の工夫があります。

6.素材を内装と揃えられる
造作家具のもうひとつの魅力が内装との素材合わせです。
床と同じ木材を使ったり壁と同じ色で仕上げたり。
あるいはキッチンや建具と素材を揃えることもできます。
例えば、白い壁の中に白い造作収納をつくれば収納の存在感を抑えることができます。
一方で、木の造作家具をアクセントとして取り入れれば空間に温かみを加えることもできます。
家具単体ではなく内装の一部として家具をデザインする。
それによって部屋全体に統一感が生まれます。

造作家具は「収納」ではなく、空間をつくるもの
造作家具というと、「収納量を増やすためのもの」と考えられがちです。
もちろん収納としての役割は大きいですが、それだけではありません。
家具の大きさ。
壁とのつながり。
素材。
色。
照明。
コンセントや配線。
そして、その家具を使う人の暮らし方。
これらをまとめて考えることで造作家具は単なる収納ではなく空間そのものをつくる要素になります。
暮らしていればものは増えていきます。
大切なのは、それらを無理に減らすことではなく暮らしに必要なものが必要な場所にきちんと納まること。
造作家具は、そのための器になります。
リノベーションでは、間取りを変えるだけでなく、収納や家具まで含めて住まいを設計できます。
「収納を増やしたい」という要望の先にある、本当に必要な暮らし方まで考える。
それが、私たちが考える造作家具のデザインです。
造作家具で、暮らしと空間を整える
造作家具で空間がすっきり見える理由は、単純に収納量が増えるからではありません。
空間のサイズに合わせられる
収納するものに合わせて設計できる
生活感を隠せる
配線まで整理できる
壁や建具とのラインを揃えられる
内装と素材を統一できる
床や視線に余白をつくれる
こうした小さな工夫が積み重なることで、空間全体が整って見えます。

リノベーションだからこそできる暮らしに合わせた造作家具。
「収納は欲しいけれど、家具を増やして部屋を狭くしたくない」
そんな方は、家具を後から置くのではなく住まいそのものと一緒に収納をデザインするという方法を考えてみてはいかがでしょうか。
設計:田中

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