ライフスタイルや家族の変化に合わせたデザインマンションリノベーション

やはり外周部の壁を剥がしていくとカビがかなり浸食。特に排気ダクトや玄関ドア周りが真っ黒になっていました。ちょうど空気が循環しにくく浴室等の湿気が滞留しやすい箇所でした。

可能な範囲で壁面のカビを取り除きました。ただしすべて落としきることは難しいので、これ以上浸食してくることを防ぎ封じ込めるように、カビ止めシーラーというものを塗布していきます。
さらに外周部に関しては、新たに作成する壁と躯体との間にしっかりと断熱材を充填致しました。

LD+Kだったところを、奥まっていたキッチンを引き出してきて、いわゆるLDKに。
キッチン自体も空間の一部として溶け込むようなデザインとレイアウトを意識しました。

段差を解消するために床を多少上げた為、天井が低く感じないように照明をスッキリさせたレイアウトに。
全体的に明るい色味でまとめ上げ、長手方向に広がっていくように、広々と見せる工夫が施されています。

廊下からリビングへの引き込み戸は、既製品ではなく弊社による造作。ナラ材の木目と格子のデザイン、チェッカーガラスがポイントになります。通風の為に開け放しにすることも多くなるこの引戸は、引くと壁の中に収納されるように製作していますので
邪魔にはなりません。

リビングの隣の洋室に繋がる３枚の引き戸。こちらも造作です。同様に写真右側に引き込むとリビングと洋室が繋がり、より広々と空間が使えます。扉の枠部分はクロスと同じように白く塗装し、開け放した時に空間の連続性を感じられます。閉め切れば寝室として、プライバシーの確保も可能ですし、家族構成の変化にも柔軟に対応できます。

キッチンに立っているときも団欒の中に居れますし、会話にもしっかり入れます。真鍮色のペンダントライトが真っ白のキッチンの天板を照らします。ダイニングからのアクセスや、食器運びもスムーズです。奥様のご要望を集約した無駄のないシステムキッチンを使用しました。

リビングの一番広い壁面には、本物の古レンガを使用する弊社こだわりのレンガ壁をご提案させて頂きました。色合いの幅や変化をもたらすために、モルタルが付着しているものや変色しているものをあえて混ぜ込みバランスよく配置することで、古レンガ本来のラフさや重厚感を表現しつつ、汚くもみえない唯一無二の壁面に仕上げております。このナチュラルなリビングの中では異彩を放大きなアクセントとなりました。

各洋室には、ご家族それぞれに好みのクロスをお選びいただき１面アクセントクロスとしました。弊社が大事にしている愛着という意味では、思い入れや好みを入れ込むということは必須だと思っております。

マンションは一般的に長細い間取りが多く、窓のない部屋がどうしてもできてしまいます。生活する中で光や風はとても重要です。窓のない部屋の上部には造作の回転窓を設置し、換気もしやすく尚且つプライバシーも保てるようにしてあります。

洗面台も弊社のオリジナルです。当初から奥様がイメージを持たれており、それを具現化した憧れの洗面台。下部には体重計等薄い物が収納できる工夫や天板の木には水がしみこまないような塗膜をかけるなど細かいところまでこだわっています。施主様支給のブラケットライトも、本来縦で使う者を90°回転させて鏡とのバランスで映えるように配置も考えています。

トイレもまた１つの部屋です。遊び心を大切に、大胆なレッドクロスを採用。ペーパーホルダー等の小物も真鍮色のものを選んでおります。

玄関収納はそこまで広さが取れないながらも、棚板を可動式にしたり帽子やコートを掛けられるフックも取り付けてあります。全体に言えることですが物がゴチャゴチャしないように、どこに何を入れるか。何度もお打ち合わせを重ねて、出来た時だけでなく、綺麗になった御自宅を維持していけるようなご提案を心掛けました。